大判例

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福岡高等裁判所 昭和26年(う)2622号 判決

刑法第五四条第一項後段にいう「犯罪の結果」たる行為とは或る犯罪より生ずる当然の結果たる行為を指すのである。ところで本件起訴にかゝる事実は被告人は朝鮮人であつて幼少の頃から引続き本邦に居住している者であるのに未だにその居住地を定めて法務総裁の定める所により所要事項の登録の申請をしないものであるというのであつて外国人登録証明書は所要事項の登録を申請して始めて申請者に交付する建前であるから、被告人の如く最初から所要事項の申請をしないときは該不申請という不作為犯の当然の結果として外国人登録証明書不所持という不作為を生ずるのである。従つて外国人登録証明書不所持の罪は外国人登録不申請の罪の結果たる行為として之と牽連犯の関係に立ち一罪としての取扱を受けるものと云わなければならぬ。然るに被告人は昭和二五年一二月二九日佐須奈簡易裁判所において外国人登録証明書不所持の罪により省略式命令を以て罰金千円に処せられ該命令が昭和二六年一月八日確定したことは記録上明らかであるから、右省略式命令の既判力は牽連関係に立つ本件起訴にかゝる外国人登録不申請の事実に及ぶものと云うべく従つて本件については刑事訴訟法第三三七条第一号に則り被告人に対し免訴の言渡をしなければならない筋合いであるのに原審が被告人に対し有罪の判決をしたことは法令の適用を誤つたもので論旨は理由がある。そこで刑事訴訟法第三九七条に従い原判決を破棄し更に同法第四〇〇条但書を適用して自判することとし同法第三三七条第一号に依り被告人に免訴の言渡をする。

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